日本軍の教訓 日下 公人 PHP研究所 2005-09-16 posted at 2005/10/30 |
★━━━こう思ったら読め!━━━━━━━━━━━━━━━━★
『日本軍の失敗とは?』
成功に原因がないことはあるけど、失敗には必ず原因があります。
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☆気になったキーワード
『建制』 『参謀本部』
『教育の失敗』 『大将の器』
★━━━━本の著者に聞きたいこと━━━━━━━━━━━━━★
『失敗の原因はなんだろうか?』
歴史に学べない人は、「馬鹿」になりますから
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☆本から得た気づき
━━━━━━あらすじ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼『建制の墨守は自滅につながる』
▼『参謀-責任最小主義』
▼『ジェネラル-軍人+政治家』
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▼『建制の墨守は自滅につながる』
「建制」とは、決まった仕組みのことをあらわします。
例えば、警察の階級制もそうですし、まさに軍隊における階級制も
その一つです。
平時においてこの「建制」は非常に有効な効果を発揮します。
というのは、例えば2人の指揮官がいた場合
階級が違えば、上の階級の指揮官に最高指揮権があり
階級が同等であれば年次をもって判断するのが日本軍の特徴でした。
ですので、指揮官が2人いてもその2名が指揮権をめぐって
争うということは起こりえない体制だったわけです。
が・・・戦場という有事ではこれは逆に弊害になりますよね?
想像してみてください。
有能な次席指揮官と無能な司令官がいたとき、
最高判断は司令官のほうにあるわけですから、いくら意見具申しても
通らなければ絵に描いた餅。
そんな事例が、太平洋戦争中になんどあったことか・・・
また「自滅」の事例として上げあられるのが、日本軍の先方にもありました。
【陣地固守】【バンザイアタック】
戦略目的もなく、ひたすら陣地固守の命令をだし続ける参謀本部。
敗北が確定的になった際に、玉砕するために、機関銃に向かって突撃する
部隊長以下の部隊。
アメリカ軍にいわせると「一番大変な残敵掃討の手間がはぶけた」などと
言われてしまったのです。
現地で戦われた方々が悪いとはまるるちゃんは思いません。
そんな行動を現地部隊に強いることになった作戦指導に多大な問題が
あるんだと思います。
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▼『参謀-責任最小主義』
太平洋戦争中に日本軍、特に陸軍ではやったものが【独断専行】。
軍隊に必要な「命令」をもたないままに、勝手に行動する
大体の場合において【勝手に開戦する】というものでした。
満州事変にせよ、ノモンハン事件、盧溝橋事件、北印進駐・・・・
例には枚挙に暇がありません。
#たぶん、何がなんだかぜんぜんわからないあなたも多いかもしれません。
なぜこんなことが起こってしまったか?ということの
一つの理由に「誰も責任をとらなかった」というものがあるかと思います。
特に陸軍において顕著に見られたとまるるちゃんが思うのが
リーダーである司令官・師団長を無視した参謀による勝手な命令。
そしてその命令は「司令官・師団長」の命令として発令され
失敗した場合の責任を、お互いにかばいあう体制ができあがっていたのです。
こんな制度であれば、参謀としては命令を勝手に出し放題ですよね?
そしてかばうあうということは、
イコール失敗の原因を追究しないわけですから
何度でも同じ失敗を繰り返すことになるわけです。
そしてその結果繰り返された、太平洋上の島々を守る守備隊の【玉砕】。
戦果を大きく報告することによる誤報に基づく【誤判断】。
現場による独断専行=臨機応変がまったく許されないのは
先に書いた「建制」の墨守でもありますから、必ず行わないといけない
ことではありません。
でも【責任】を明確にしない。
そして現場ではない参謀たちが、【独断専行】する。
こんな体制では勝ったらラッキー!負けて当たり前といわざるをえませんね。
国力以前の問題として。
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▼『ジェネラル-軍人+政治家』
実は、昔「大将」「中将」などの階級はなかったということを
聞いたことがありますか?
軍隊における最高階級は「大佐」だったのです。
ところが、戦争をするだけではなく、戦後の処理などをする必要が
出てきたために、軍人の能力に加えて政治家としての能力をもつ
【ジェネラル】
が必要になったために、新たにできたものなんです。
でも、はるか時代はくだって近世紀になると
通常の軍人としての能力でもって将軍になるものがほとんど。
本来【軍事】とは【政略】の一つの手段に過ぎないはずなのです。
ビジネスでも近いものがあると思いますが
競争相手と争っている場合に、【値引き競争】などの実戦に踏み込む前に
いくつもとるべき手段はありますよね?
そして【戦争】を始めるのは簡単なんですが、これを終わらせるのは
かなり至難の業。
ですから本来の【ジェネラル】であれば、終わらせ方を見通した上で
戦端を開かねばならないのです。
明治の時代が一概によかった!とはいえませんが
日清戦争・日露戦争当時は、軍人は【戦争に勝つことに集中】し
政治家は【戦争を終わらせることに集中】し
お互いに互いを信頼しあっていたように思えます。
ですから新興国日本がその戦争という危機を乗り越えることができたのかも
しれませんね。
★━━━この本を読んで自分が決意したこと━━━━━━━━━★
『責任が曖昧になることをやめよう』
未来における破滅につながるので。
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今回の本著のまるるちゃんによる紹介を読んで気がついた方が
いるかもしれません。
まるるちゃんは、軍事オタク???
半分あたりです(笑)
というのは、中学・高校のころに、戦記小説ものに
はまってかなりの本を読んだから
そればまるるちゃんのバックボーンの一つになっています。
そしてその後、ビジネスに応用されたものを読んだりしているからなんですね。
戦後60年たち、昔の歴史を振り返ってみるに
同じ病に蝕まれている部分ってあると思うんです。
その大きな一つが「責任最小主義」。
自分の責任じゃない!けど口はだすよという方が
まだまだたくさんいらっしゃいますよね。
そういう意味では、自分ひとりが責任をもってやっていかないと
いけない個人事業主の方が増えることは、
社会にとって健全な方向なのかもしれません。
もちろん「副業」であっても自分の責任でやっている以上
意味的には同一のラインに乗ってくると思います~。
キーワードは「責任」ですから。